【旧】生前対策

相続発生前に相続対策についてまとめました。
知っていることで、得をする内容もございます。
ご参考ください。

 

生前対策の必要性

財産の概算評価と相続税の試算

納税資金対策

不動産の活用

贈与方法の検討

保険商品の活用

争族対策

報酬金額

生前対策の必要性

%e7%94%9f%e5%89%8d%e5%af%be%e7%ad%96%e3%81%ae%e5%bf%85%e8%a6%81%e6%80%a7生前対策は、大きく分けると「節税対策」「納税資金対策」「争族対策」の3つからなります。
まず節税対策は、一定の手法を用いて相続財産の評価額を圧縮して相続税の納税額を減額する方法です。
次に納税資金対策は、相続税の納税資金を確保するための対策です。不足する納税資金に対して、如何にこれを捻出するか、という観点から考えます。
そして争族対策は、相続人間での遺産争いを未然に防ぐための対策です。遺言を活用することで、個々の財産の帰属を明確にして予め争いの原因を除去します。相続人以外の人に財産を与えることもできます。
生前対策には、下記のように「不動産の活用」、「生前贈与の活用」、「生命保険の活用」、「遺言書」等がありますが、1つだけを行うのではなく、いくつかを組み合わせて対策を行うことが有効です。それは、税制が改正されたり、社会環境や経済環境が変わったり、家族関係などが変わったりすることによって対策の効果が薄れてしまうことがあるからです。
それぞれの対策には、メリット・デメリットがあり、また、リスクがあります。すべて完璧でリスクがないという対策はありません。
ベストな相続税対策は、お客様の状況によってそれぞれ異なります。当会計事務所では、お客様に合った最適な相続税対策を幅広く提案し、相続発生前から相続税申告まで、幅広くお手伝いします。

財産の概算評価と相続税の試算

%e8%b2%a1%e7%94%a3%e3%81%ae%e6%a6%82%e7%ae%97%e8%a9%95%e4%be%a1%e3%81%a8%e7%9b%b8%e7%b6%9a%e7%a8%8e%e3%81%ae%e8%a9%a6%e7%ae%97最適な相続対策を提案するために、現在の財産状況の棚卸をし、将来いくら相続税が発生するか試算をします。現状の財産状況を確認することで、将来の相続税を軽減するための課題が明確になります。
また、財産の全体像を把握することで、財産をどのように親族に配分すべきか考えることもできます。
更に、将来の相続税額を把握することで、今後の
納税資金の確保をどのように行っていくべきかの検討を行うこともできます。そして、生前に財産目録を作っておくことで、実際に相続があった際も資料の整理が事前にできていますので、スムーズに計算処理ができます。

試算した結果に基づいて、具体的にどのような生前対策の選択肢があるのか、それらがどの程度の金額的な効果があるのか、を検討していきます。ご希望に応じて、2次相続を踏まえた対策のご提案もします(ただし、税制改正による不確定要素が高いのでご注意下さい)。こうした結果は、レポートとしてまとめ、ご報告します。

納税資金対策

%e7%b4%8d%e7%a8%8e%e8%b3%87%e9%87%91%e5%af%be%e7%ad%96多額の現預金を残せるのであれば納税資金の検討は不要です。しかし、いくら節税は図るとしても、相続税を支払う資金がないのでは困ってしまいます。
もし、相続財産が不動産しかない場合には納税資金を確保するためにその一部を売却しなければならないこともあります。こうした場合に、どの土地を売却したらよいかの判断を行い、予め売却を進めておくのが望まれます。相続があってから売却しようと思っても、その短期間では足元を見られ思った価格では売却できない場合がほとんどです。路線価が市価よりも高い土地については物納用地として利用することも検討したり、農地があれば今後の利用方針を決定したりと、考えなければならないことは沢山あります。こうしたことは、相続前に把握しておき、予め備えておかなければなりません。
また、もし会社を経営されている場合には相続があった場合に会社から退職金を支払えるように税務上の備えをしておくことも必要です。同様に、生命保険金を利用した方法も検討する必要があります。

不動産の活用

1.自己所有の土地にアパート・マンション・戸建賃貸家屋を建築

【メリット】
  1. 土地の所有を継続できます。
  2. 建物の建築により土地の固定資産税が減額されます。
  3. 更地よりも相続税評価額が減額されます(約20%ほど)。
【デメリット】
  1. 建築資金を借入により賄う場合、金利が発生します。
  2. 空室リスクにより家賃収入が見込みどおりにならない場合があります。

2.他の収益物件への買替え

【メリット】
  1. 物件を売却した資金で新規物件を購入するため、新たに借入は発生しません。
  2. 収益性の良い物件を購入することにより賃貸経営が安定し、相続のときも財産分割も容易になります。
【デメリット】
  1. 既存の不動産を売却したときに利益が出ると譲渡所得税がかかってきます(ただし、一定の場合は税務上の特例を適用し減額することが可能です)。
  2. 今まで所有していた不動産を売却することになるため、先祖代々の不動産を保有していきたい場合には不向きです。

3.等価交換

(土地をマンション開発会社に拠出し、その対価として建築後のマンションの一部の拠出を受けるもの)

【メリット】
  1. 交換によって物件を取得するため、新たに借入をする必要はありません。
  2. 交換によって、通常はマンションを数室取得するため、分割・売却が容易にできます。
【デメリット】
  1. 今まで所有していた不動産を売却することになるため、先祖代々の不動産を継続保有したい場合には不向きです。
  2. 駅近物件である等、その所有している土地の条件の良さが求められます。

4.定期借地権方式

【メリット】
  1. 安定して権利金と地代が得られます。
  2. 契約期間終了後に土地は現状復帰され返還されます。
【デメリット】
  1. 契約期間中はその土地の使用や売却はできません。
  2. ご自身で建築する場合に比べ、収益性は高くありません。

5.貸地の整理

貸地は下記のような問題があるため、その解決を次代に残さず相続対策時に整理を進めていくのが肝要です。

【貸地の問題点】
  1. 半永久的に返還されない
    「親族が住む家を建てるために土地が必要」といった正当な理由が無ければ賃借人に退去してもらうことが困難です。
  2. 低利回り
    貸地の賃料は、相当以前に決められたものであり、現状の他の利用と比較すると利回りは非常に低い。
  3. 換金性が低い
    貸地としておくだけでは利用が困難であるため、専門の買取業者に低額に買い取ってもらうしか方法がありません。
  4. 相続税が高額
    相続税の財産評価計算上、底地は、更地とした場合30% ~40%程度の高額な評価となり、収益力の低さに比して、相続税は割高です。
【解消方法】
  1. 借地権者に売却する
    利用価値の低い土地を整理するため、底地部分を借地権者に売却します。
  2. 一括して第三者に売却する
    地主と借地権者とで共同して第三者に1つの完全な所有権のある土地として売却します。
  3. 地主が借地権者から借地権を買い取る
    借地権者から買い取り、1つの完全な土地の所有権を確保し自由な利用が可能となります。
  4. 借地と底地を部分的に交換する
    地主が有している底地の一部を、借地権者の有する借地の一部と交換し完全な1つの所有権を有する土地として、それぞれが所有します。

贈与方法の検討

1.基礎控除の範囲内での贈与

1年間に110万円以内の贈与であれば贈与税はかかりません。これを利用して子や孫に預貯金等の財産を贈与すれば節税ができます。この110万円の基礎控除は、贈与を受けた1人につきそれぞれ適用されます。例えば、子や孫が5人いれば、それぞれに毎年110万円ずつ贈与することにより、1年で550万円、10年で5,500万円の財産を無税で移転することができます。そこで、長期にわたり大人数に贈与することが基本となります。

2.相続税の実効税率以下での贈与

あまり時間をかけて対策する余裕がない場合には、多少税金が発生するのはやむをえないとして、短期間で多額に贈与を行う方法も検討する余地はあります。すなわち、もし相続があれば発生したであろう相続税額と、現状において贈与することによって発生する税金額との比較により、その贈与すべき金額を算定するのです。贈与税は超過累進税率によって税金が課せられます。そのため、贈与税の実効税率(=課される贈与税額がその贈与財産額に占める割合)が相続税の実効税率の範囲に収まる金額(贈与と相続の節税分岐点)で贈与を行うのです。

3.贈与税の配偶者控除

婚姻期間が20年以上の配偶者に、居住用不動産もしくは居住用不動産を取得するための金銭の贈与を行う場合、その金額が2,000万円までの範囲であれば贈与税はかかりません。そのため、居住用不動産等を贈与することにより減少する将来の相続税額が諸費用(登記費用・登録免許税・不動産取得税)を上回る場合には節税メリットがあります。

4.直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例

一定期間内(平成24年1月1日から平成26年12月31日までの間)に直系尊属(祖父母・父母など)から贈与を受けて、居住用家屋の新築(若しくは取得又は増改築)をするための金銭を取得した場合に、所定の要件を満たしていれば、一定の非課税限度額までの贈与については非課税となります。

5.生前贈与加算対象外の方への贈与

相続税計算上は、相続開始前3年内に受けた贈与について、相続財産に加算して計算を行うことになります。そのため、基礎控除の範囲内として無税で贈与を行っていても、最終的に相続税として課されてしまう場合があります。
しかし、その贈与を受けた方が、相続によって財産を取得したのでなければ、こうした問題はありません。すなわち、法定相続人以外の方、例えば法定相続人の配偶者・子などに贈与をすれば、後々その無税が覆されることはありません。

保険商品の活用

1.終身保険

img3_04保険は、生前相続対策としては、とても有効な方法です。生命保険には、納税資金の確保という観点と、(一定限度があるものの)非課税財産である、というメリットがあるからです。
すなわち、相続発生時に保険が下りることにより、相続人は資金が手元に入り、また、法定相続人の数×500万円の金額までは相続税が非課税となるのです。
更に、通常の相続財産は遺言などの方法によらないと財産の指定はできませんが、保険金は受取人を指定することができるため、実質的に相続人への財産指定ができるのです。例えば、特定の人に財産を多く残したい場合にも利用することができます。
なお、保険にも色々な種類があり、もし相続開始までに資金需要があれば、途中で解約返戻金を受取れるようにすることもできるものもあり、その設計は自由に行えます。

2.現金贈与による保険加入

配偶者や子に保険料相当分の現金を贈与し、贈与を受けた相続人が自ら保険に加入して保険料を支払う方法です(この場合の被保険者は本人、保険金受取人は相続人です)。
基礎控除までの範囲内での贈与によって保険料の払い込みを行うのが効果的です。受取った保険金は、保険の利益金額(保険金受取額-払込保険料額)の1/2が相続人である保険金受取人に課税されるだけになります。
なお、これは現金を贈与するのと比較して以下のような事態を避けることができるというメリットがあります。

  1. 現金贈与だと贈与を受けた方が現金を使ってしまう。
  2. 上記、「1.」の浪費防止のため使用を制限するべく通帳・カード等を管理していると贈与としてみなされなくなる(=贈与者の財産として扱われてしまう)。

このように、現金贈与をするよりも保険料として支払われる方が、受取人にとって確実性があります。

3.会社で保険に加入し、退職金として支払(会社のオーナーの場合)

ご自身が経営されている会社で保険に加入し、相続発生時に会社に保険金が下りるものを退職金という形で相続人に支払う方法です。 これは、保険金と同様に、法定相続人の数×500万円が相続税計算上は非課税となることを利用するものです(生命保険金と退職金は、それぞれ別枠の非課税枠) 。

相続対策

相続争いが起きると、兄弟姉妹間や親子間等の親族関係に亀裂が生じてしまいます。 昔と違い、家督相続ではなくなってきています。長男は、家を継ぎ両親の面倒を見ており当然に多く相続するものだと思っていても、家を離れた他の兄弟が均等に相続を求めてくるケースが多々あります。こうした争いが起きるのは、相続財産が不動産等となっているため分割が困難な場合や、相続人間でその分配額に大きな差があるときです。
「争族」を避けるためには以下のような方法があります。

1.財産の計算

事前に財産額を把握し、場合によっては分割が容易にできるよう財産の組み替えを行っておくことが必要です。

2.遺言書の作成

予め、遺言書で相続人を決めておくことにより、相続人が故人の遺志を尊重し、争いが回避されることになります。

3.遺留分の事前放棄

遺留分(遺言によっても奪うことのできない相続人に認められる相続財産の最低取得分)を、将来の相続人が予め放棄することにより、相続時の争いを予め回避することができます。但し、これは各相続人となる人が自分で家庭裁判所に申立てをして許可を得なければならず、負担が大きいため注意が必要です。

4.遺留分に関する民法の特例

その保有する会社の株式に関して、相続人の一人を後継者としてこれを譲渡する場合、その相続時においては、遺言をもってしても遺留分侵害の問題が生じてしまいます。
これに関して民法では、予め、相続人となる方々全員の合意を得て、その譲渡した株式については遺留分の計算には含めないとすることが認められています。これは、事業を次代に承継させようとしていたものが、その本来の目的を達成できなくなる場合があることに備えた制度です。

報酬金額

項目 報酬金額(税抜)
基本報酬 25万円
加算報酬 不動産(5箇所を超える場合) 1万円/箇所
株式(非上場株式) 7万円/株
相談(相続試算後) 無料(10時間まで)

税額の試算と、対策レポートの作成報酬が含まれます(遺言作成費用は含まれません)。実際の対策に関わる実行費用は含まれません。提案について対策を実行する際には、対策の種類により当会計事務所の報酬も異なってきます。基本的には対策にかかる時間とその内容、専門家への依頼等各種の事項を考慮して適正な報酬をお見積致します。
なお、税額試算の結果、対策が不要である場合や、状況によってはあまり有効な対策が見当たらない場合もあります。

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